奥田塾参加vol.2 日暮里に布地を買いにいく。

さてさて、前回無事奥田塾に参加したい旨を
電話で告げることのできたcheeleeeでしたが、
次なる初心者cheeleeeに対するハードルは、塾で使う布地。

布地の条件は
☆ウールかシルク(実はナイロンもOKだったのですが、すっぽり抜け落ちてます。)
☆110cmとか、W幅とか。
☆加工がしていないもの
☆3mくらい。

奥田さんに聞いたとき、
加工がしていないもの、という条件なので、
一般的な布地屋さん、たとえば、ユザワヤだとかだと
難しいのかも、という話でした。
新宿のオカダヤならあるかなぁ…という感じ。

内心…うーん、日暮里までいかないといけないかなぁ、遠いなぁ。
と思いつつ、電話した後しばらく布地に関してノーアクションでした。

しかし奥田塾の日が近づいてくるにつれ、
そういっている訳にもいかず、「加工がしていないもの」という
一番難しそうな問題を解決することに。

cheeleeeが職場で、少し前に知り合った方にMさんという方がいて、
Mさんは、文化出身のずっとアパレル関係で仕事を
していらっしゃったのです。そこでMさんに相談してみることに。

って、自分の知らない新しいジャンルについて知りたいときに、
こういう知り合いの人って重要だ〜。と思うわけですが、
私もたまたまラッキーで知り合えた訳ですが、
普通だったらどうやって知り合うんだろう。

でも、興味があることの体験教室に行くと、
基本的にそこの先生がそのジャンルに詳しいわけだし、
集まってくる生徒さんも、基本そのジャンルの何かに関わってたりするわけです。
だから、まずはよくわからないけど、飛び込んで見る、
ってのが重要かも。Just do itってこと?
そこからつながりもできてくるのかも。余談ですが。

実はMさんとはいわゆる同じ課ではなく、
普段の仕事では基本話さない関係。ちょっと意を決して相談するわけです。
こういうのが新しいことに対する時のどきどきなんだよなぁ。
あまり知らない人に、いきなり自分のやりたいことを話す、見たいな。
それが楽しめるようになる!ってのがいいね。

というわけで、ある日の朝、仕事場でちょっとどきどきしながら
声をかけるcheeleee。
Mさんの反応も優しく、嬉嬉
「これこれこういう布地らしいんですが、加工がないってなんでしょう??」
「日暮里に行こうと思ってるんですが、どこかいい布地屋さん知ってます?」と聞くと、
いろいろ調べてメールしてくれるとのこと。

で、その日の夜のメールで、
「生地を柔らかくする加工は、店頭に出ている生地に、
ほぼすべてかかっている、ということを思い出しました。
加工をしていない、というのは撥水加工で油性の加工をしていない、
ということだと思います。
プリントは大体油性になるので撥水加工かと思います。
ナイロンもプリントがはがれやすくなってしまうので
お勧めできないことを思い出しました。
水性加工ならプリントはほぼ載るので大丈夫です。」

との返事。おお嬉しい。
お勧めの布地屋さんには
トマトと、長戸商店と、パキラというお店を教えてくれました。
トマトは知ってたけど、後は知らない。さすがだ。
餅は餅屋だ。でもお餅やさんになりたいわけだが。

日暮里繊維街マップで見て、パキラをググッた時、
パキラの系列店にエレガンス、っていう店を見つけて
“良いものしかありません。1Fから3Fまで
高級インポート生地が大半を占めるエレガンス。”っていう紹介と、
店内の写真になんとなく見覚えがある…。

あれ、ここってもしかして、
5年位前に日暮里に何かの買い物をしに行って、
ふらっと寄ったときに、めちゃくちゃ可愛いレースを見つけて
買ったところ??という記憶がよみがえってまいりました。
ちなみにそのレースは、ゲンコローチ(cheeleeeの息子)の
ベビーカーの座面になったわけですが。


と、いうわけで10月の某日。
日暮里にはるばる遠征してまいりました。
しかし遠!まあいいんだ。
八王子に比べたら近い近い。

お昼間際にたどり着いたので、物色を始める前に
と思って日暮里駅前の馬賊というラーメン屋さんで腹ごしらえ。
ラーメン久々。で、食べ終わって外に出て、
早速物色開始。

繊維街入り口のパキラをぐるっと一蹴、
さくさく歩いて、エレガンス発見。
ふらふら〜っと立ち寄って、ああやっぱりあのレースの店だ…。
と思いながら入店。やっぱなんかここ可愛い布多すぎだ。
けど、お値段も可愛すぎた。8000円/mって何だよ…。
って思いながら2階までは物色。

エレガンスをもう少しいくと、
長戸商店をもう発見!
トマトは人がいて混んでそうだし、長戸商店は見たことないから
先に見てみよーっと、と思って入店。
さらさらーっと廻って、
いざ、お店の人にさっきの布地の条件を聞いてみることに。
「加工がかかっていなくて、シルクかウールで…。」
と聞くと、「加工???」という心もとない返事。
餅屋さーん!頼みますよー!

と思いつつも、ウールの場所と、シルクの場所を教えてくれたので
見てみる。ウールにするか、シルクにするか考えていなかったけれども、
3mも買ってプリントして何にもしないんじゃもったいない。
エネルギーは循環してこそエネルギーだ、と思い込んでるcheeleee的には、
やっぱり何かに仕立てたい。

となるとシルクじゃ何かにするって言っても使いづらいだろうし、
ウールだったら、これから冬だし、何かにつかえるんではないの?
という経済的な頭からウールにすること決定。

2号館のほうにモッサっていうウール地がもうちょっとありますよ、
といわれて、モッサって何〜??モサモサなの〜??
と思いながら徒歩50mの2号館へ。

頑固そうなおじいちゃんがお弁当食べながら店番している横を、
数人の先客が商品物色中。
2号館の中は割と厚地の商品が多くて、
ツィードとか、さっき言ったモッサとかベルベットとか。

ほかの用件でツィードも気になっていたのですが、
(それについてもまたおいおい。)
とりあえず、ウールで白地でコート地になる、というモッサ@1350円/mに決定。

で、モッサーってのは、
モッサー(mosser)とは短めのけばが垂直に立った織物のことで、
苔のような触感があるのが特徴。
平織か2/2の綾織が一般的で、コート地などに使われる。
モスフィニッシュドクロスを短くした日本での呼び名である。
だそうです。まだ平織りと綾織の違いを分かってないけど、
ようはとってもお上品な感じで素敵な布です。

カシミア入りのモッサはもっとさわり心地よかったけど、
プリント初心者の私にはカシミア入りは高級すぎよう。

cheeleeが布地についてのいろいろを質問してたら
お弁当のおじいちゃんが、
「わかんねぇ人にね、最初っから説明すんのは難しいのよ」ってべらんめぇな返事。
そんなこと言わないで教えて〜(泣)
って、といいつつもおじいちゃんなりにやさしく教えていただきましたよ。

でも、確かにおじいちゃんのいう基本の情報も知っておいたほうが
話が進みやすいのも事実。
ってことで、基本の情報を得るならこの本お勧め

インテリアファブリックスの本 塩谷博子著
TOSO出版
3150円もするけど、どういう素材があって、どういう特徴があって、
糸を布にするのにも織りと編みがあるのよー、とか、
頭の中を体系だてるのにお勧め。

頭の中体系だてておかないと、
織り方の名前をそういう素材があるのかな?と間違えちゃったりする。
どんな素材を使ってるか+織り方で布ができるわけだから、
同じ織り方でも素材が違えば違う布。
ただ一般的に、ある織り方に対して
一般的に使用する素材があったりするのでそれが間違いやすいみたい。

たとえばベルベットは
「縦方向にパイルを入れてカットしたパイル織り。
本来はシルクだが、現在はレーヨンやポリエステルでも作られている。」
っていうことでベルベットって言うのはパイル織りの一種の織り方なのが分かるし、
本来は〜以降は素材について書いてあるのも分かる。
もともとはベルベットといえばシルクを使ってあるものだったんだけれど、
最近はレーヨン+ベルベット織りもあるってことですね。


ちなみに織りと編みは別物なんですよ。知ってました?
織りはたくさんの糸が織られていくけど、編みは基本的に一本の糸。とかね。
今回の動物性の布、って言うのも
この本で、ああ、動物性の布はウールとシルクしかないのね、
植物性の布は綿に麻があるのね。って分かったくらい。

テキスタイルデザインっていうジャンルがあるくらいだから
そりゃ織りひとつ、素材ひとつとっても奥深いよね。

その日は結局トマトは赴いたものの、やっぱり混んでて、落ち着かず。
というよりも長戸商店のおじいちゃんが、
ほかのお客さんと話しながら、
トマトにはね、うちみたいにモッサーの種類こんなにないからね、
といっていた時点でトマトを見ずに
長戸でいいや、と思ってしまいさっさと買ってしまったのです。

一応トマトにいって、
モッサーやツィードのコーナーをみたものの、
確かに長戸さんのほうが多かった。


というわけで、無事ウールの生地3mをゲットして
帰途に着いたcheeleee。
次回はようやく「奥田染工場で奥田塾に参加」です。